(2021-)
Acrylic on canvas 606mm×727mm
ある日、いつも見慣れている風景がどこか違うことに気づきました。毎日行き交っている道路も、道路脇の家並みも変わらずそのままなのに、目の前の風景の何かが違うのです。
あれ、どうしたのだろうと歩くリズムを変えてみたところ、サクラの木が切られていることに気がつきました。春が来れば必ず花をつけていたサクラ。サクラの花の下を歩きながら過ぎた時を思い出し、考え、これから新しく始まる暮らしや時間に思いを馳せていました。
時が経つにしたがい、私はサクラの木が消えてしまった風景にいつの間にか慣れてしまいました。描いているサクラは生えていた場所も切られた時期も違いますが、私の中にある記憶の風景を留めるために絵筆をとりました。